ビアンカ 2022

  国:Slovenia (スロベニア)
 地域:Primorska (プリモルスカ)
 品種:Bianchera (ビアンケーラ)主体
    Malvasia (マルヴァジア)
    Chardonnay (シャルドネ)
タイプ:Orange (オレンジ)・Petillant (ペティアン)
 SO2:無添加
 度数:11.5%

インポータコメント
発泡性の強いペットナット。
2022年8月20日に収穫、数日ステンレスタンクで醸し、9月4日に無濾過でボトリング。
青りんご、黄りんご、黄プラムの香り。
ドライでフレッシュ。
まるで甘くないぶどうジュースのよう。
りんご酸がイキイキと感じられる。
1日置くと味わいに落ち着きと重厚感が出てくる。
ミネラル感もこなれてくる。
泡が抜けてもスティルワインとして楽しめるワイン。
海から1kmのところに畑はあるので海の影響を受けている。
エチケットはヨットと魚。
亜硫酸無添加。


■生産者
ZARO (ザロ)
本拠地:スロベニア・プリモルスカ

ZAROは1348年からスロヴェニア南西部のイゾラという港町(イストラ地区)でワインを造り続けています。
創業700年の歴史を誇り、イストラ半島では最古のワイナリーです。
設立当初は2haのオリーブ畑からはじめて、今やワイン産業がメインとなりましたが、ぶどう畑とオリーブ畑を合わせて20haほど所有しています。
0.5ha以下の小規模な生産者が多いスロヴェニアでは、20haは広大ですが、全て家族で切盛りしています。

先祖から代々受け継いだ伝統を今に伝えます。
畑の耕作や醸造においては、より良いワイン造りを求めて、現代的なアプローチでアップデート&アップグレードしてきました。
ZARO家の長い歴史の中で、スロヴェニア共和国が誕生する以前の社会主義国家時代は、生産者の元詰めが禁止されていました。
1991年に旧ユーゴスラビアから独立すると、ZARO家でも1994年より栽培からボトリングまでを一貫して行うことになりました。
近年では2015年に世代交代し、現在は32歳の若きマテーシュを筆頭に、ワイン造りに精を出しています。

ZAROの畑には色とりどりのお花畑が広がります。
雑草(カバークロップ)は表土を守り、土壌の水分を保ちます。
畑はPH7〜7.2の中性の土壌で、貝殻も見られます。
海岸からわずか1キロメートルの距離で、昔はこの一帯は海の底でした。
そのため土壌にはミネラルが豊富で、それらはワインにも影響を及ぼしています。
80%の畑が35〜45°の丘の傾斜の中腹に広がり、全て南に面しています。
1日(10時間/日以上と)長きに渡り太陽を浴び、十分な日照量が確保できます。
斜面を海風が吹き付けるので、湿気は低くぶどうはカビなどの病気からも守られます。

ZAROは各々のキュヴェで、目指すワインのスタイルによって、ぶどうの房数や葉の枚数をコントロールしています。
また、畑の区画、収穫のタイミング、選果基準を変えています。
例えば黒ぶどうのレフォシュクでは、フレッシュなロゼワイン用には、酸味がピークの9月上旬に収穫します。
同じ品種でも上級キュヴェの赤ワイン用には、糖度が最高になるまで待ち、水分が凝縮されて果皮にシワがよるまで待って摘みます。
果汁は糖度計で30度あります。
とても甘いのですが、この品種は酸が豊かなので、実に良いバランスです。
「ワインの全てはぶどうからはじまる」とZAROは信じています。

どんな理由で自然派ワインを造っているのか質問しました。
ワインを哲学する時、好きが根底にあることが大切だとマテーシュは語ります。
食品に厳しいスロヴェニアは、オーガニック産業の先進国です。
自然に沿ってぶどうを育てワインを造るのが重要だと彼は答えました。
熱心に先輩たちから学ぶ若者の姿勢、困った時にはお互い助け合い、イストラの生産者ネットワークには、現代では希薄になってしまった人間関係が密に感じられます。
チャレンジ精神が旺盛な世代が、これからもスロヴェニアのワイン業界を牽引していくことでしょう。
ZAROマテーシュもその一人と想像します。

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